1296.jpg
児童虐待の親「育児にかんして精神的に不安定だった」 親は誰に相談すればいいのか?
2014年11月26日 13時53分

いたましい児童虐待事件が絶えない。11月上旬、札幌市で2歳の息子の首を絞めて殺害しようとしたとして、母親が殺人未遂容疑で逮捕された。家族は、この母親が「育児にかんして精神的に不安定だった」と話しているという。

この母親のように、育児の悩みや子どもへのいらだちがたまり、ある日突然、ストレスが限界に達して、子どもに暴力をふるうケースは少なくないようだ。逆にいえば、親が抱える辛さやストレスを解消できれば、虐待を未然に防げるケースもあるのではないだろうか。

育児に追いつめられ、「子どもを虐待してしまうかもしれない」という不安を抱えた父母が、助けを求められる場所はあるのだろうか。児童虐待にくわしい榎本清弁護士に聞いた。

いたましい児童虐待事件が絶えない。11月上旬、札幌市で2歳の息子の首を絞めて殺害しようとしたとして、母親が殺人未遂容疑で逮捕された。家族は、この母親が「育児にかんして精神的に不安定だった」と話しているという。

この母親のように、育児の悩みや子どもへのいらだちがたまり、ある日突然、ストレスが限界に達して、子どもに暴力をふるうケースは少なくないようだ。逆にいえば、親が抱える辛さやストレスを解消できれば、虐待を未然に防げるケースもあるのではないだろうか。

育児に追いつめられ、「子どもを虐待してしまうかもしれない」という不安を抱えた父母が、助けを求められる場所はあるのだろうか。児童虐待にくわしい榎本清弁護士に聞いた。

●さまざまな「相談先」が用意されている

「相談する先として、まず、各市町村の保健所・保健センターがあげられます。

保健センターは新生児訪問を通じて、子育ての相談受け付けや情報提供を行っています。また、乳幼児検診などの際に、親子で立ち寄ることが多いので、相談もしやすいでしょう。

次に、児童相談所です。児童相談所というと、近隣からの通報を受けた職員が、親を指導するためにやって来るというイメージがあるかもしれませんが、親からの育児の相談も受け付けています。

各自治体の子ども家庭支援センターに相談してもいいでしょう。ここでは、育児相談のほか、同い年の子どもがいる親との交流サービスも受けられます。

その他、子育てや虐待に関する相談をメールで受け付けているNPO法人もあります」

榎本弁護士はこのように説明する。育児に悩む親が相談する先は、いくつも用意されているようだ。

「それぞれの機関は連携しているので、相談内容に応じて、より適切な機関・サービスを紹介してもらえます。いずれの機関も匿名で相談できますので、もし悩んだら、まずは相談することが大切です」

●児童虐待は「防止」が重要

「児童虐待は、子どもの心と身体に大きな爪あとを残します。

児童虐待が起きてしまった場合に十分なケアをすることは、もちろんとても大切ですが、虐待を未然に防ぐことがそれ以上に重要です。

行政もこの点を重視しており、虐待のリスク要因を持つ家庭の把握につとめるとともに、親の育児に対する不安や悩み、実際に虐待をしてしまうかもしれないという悩みまで、幅広く相談できる窓口を用意しています」

榎本弁護士はこのように話していた。

(弁護士ドットコムニュース)

新着記事
一般的なニュースのサムネイル

同性婚訴訟、東京高裁が「合憲」判断 全国で唯一判断割れる結果に…弁護団「きわめて不当な判決だ」

性的マイノリティの当事者が、同性同士が結婚できないのは憲法に反するとして、国を訴えた裁判(東京2次訴訟)の控訴審で、東京高裁(東亜由美裁判長)は11月28日、現行法の規定を「合憲」と判断した。

一般的なニュースのサムネイル

最高裁で史上初の「ウェブ弁論」、利用したのは沖縄の弁護士「不利益にならない運用を」

裁判の口頭弁論をオンラインで実施する「ウェブ弁論」が今月、初めて最高裁でおこなわれた。

一般的なニュースのサムネイル

夫の「SM嗜好」に苦しむ妻、望まぬ行為は犯罪になる?離婚が認められる条件は?

パートナーの理解を超えた「性的嗜好」は、離婚の正当な理由になるのでしょうか。弁護士ドットコムには、そんな切実な相談が寄せられています。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「答え合わせしたい」日テレの拒否は「適正手続」の観点から問題?

コンプライアンスの問題を理由に番組を降板し、活動を休止していた元TOKIOの国分太一さんが、11月26日に東京霞が関で記者会見を開きました。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「録音の削除求められた」消さないと違法だったの?弁護士が解説

解散したアイドルグループ「TOKIO」の国分太一さんが11月26日、東京都内で記者会見を開き、日本テレビ側から番組降板を告げられた際、会話を録音しようとしたところ、同席した弁護士からデータの削除を求められたと明らかにした。一般論として、法的に録音の削除に応じないといけないのだろうか。

一般的なニュースのサムネイル

「サケ漁はアイヌ文化の主要な部分」日弁連、アイヌ施策推進法の改正求める意見書

日本弁護士連合会(日弁連)は11月20日、「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律」(アイヌ施策推進法)の5年見直しに際し、アイヌ集団の権利保障やサケ漁の権利の法整備などを求める意見書を公表した。同法附則第9条の見直し規定に基づき、文部科学大臣や農林水産大臣など関係機関に提出した。

もっと見る