11260.jpg
「ろくでなし子裁判」結審、5月に判決 弁護団「判例をなぞるだけでない判断に期待」
2016年02月01日 14時48分

女性器をかたどった「デコまん」と呼ばれる作品が「わいせつ物」にあたるなどとして、わいせつ物公然陳列罪などの罪に問われた芸術家・漫画家の「ろくでなし子」こと五十嵐恵被告人の論告求刑公判が2月1日、東京地裁(田辺三保子裁判長)であった。検察側は罰金80万円を求刑し、弁護側は改めて無罪を主張した。

裁判の最大の争点は、ろくでなし子さんの作品が「わいせつ」かどうかという点だった。

検察側は、「チャタレイ夫人の恋人事件」や「四畳半襖の下張り事件」など、過去にわいせつかどうか争われた代表的な判例を紹介しながら、判例の基準によれば「デコまん」などの作品がわいせつ物にあたることは明らかだと主張した。また、「性的刺激を緩和するような高い芸術性も思想性もない」と作品の芸術性も否定した。

一方で、弁護側は、現代では、ネット上で男女の性交などを映した動画を数多く見ることができるが、ほとんど摘発されていない現状を指摘。現在の社会的背景などを考えれば、ろくでなし子さんの作品は「わいせつ物」にあたらないと主張した。また、ろくでなし子さんの作品の芸術性を評価する学者や識者の見解を紹介し、わいせつ性は相当程度薄まっていると主張した。

ろくでなし子さんは、弁論の最後に、裁判長から「最後に何か言いたいことは」と問われると、「私は、起訴された作品(デコまん)と、されなかった作品の違いが、今でもわかりません。もし有罪判決になったら、他の作家の活動も萎縮することになってしまいます。公正な判決を期待します」と述べた。

判決は、東京地裁で5月9日に言い渡される予定。裁判長は期日を決める際、「しっかり検討したい」と、論告から判決まで3カ月という期間をあけた理由を述べた。弁護団の山口貴士弁護士は公判後の報告集会で、「判例をなぞるだけではない、これまでと違う新しい判断を示す可能性がある」と期待をみせていた。

(弁護士ドットコムニュース)

女性器をかたどった「デコまん」と呼ばれる作品が「わいせつ物」にあたるなどとして、わいせつ物公然陳列罪などの罪に問われた芸術家・漫画家の「ろくでなし子」こと五十嵐恵被告人の論告求刑公判が2月1日、東京地裁(田辺三保子裁判長)であった。検察側は罰金80万円を求刑し、弁護側は改めて無罪を主張した。

裁判の最大の争点は、ろくでなし子さんの作品が「わいせつ」かどうかという点だった。

検察側は、「チャタレイ夫人の恋人事件」や「四畳半襖の下張り事件」など、過去にわいせつかどうか争われた代表的な判例を紹介しながら、判例の基準によれば「デコまん」などの作品がわいせつ物にあたることは明らかだと主張した。また、「性的刺激を緩和するような高い芸術性も思想性もない」と作品の芸術性も否定した。

一方で、弁護側は、現代では、ネット上で男女の性交などを映した動画を数多く見ることができるが、ほとんど摘発されていない現状を指摘。現在の社会的背景などを考えれば、ろくでなし子さんの作品は「わいせつ物」にあたらないと主張した。また、ろくでなし子さんの作品の芸術性を評価する学者や識者の見解を紹介し、わいせつ性は相当程度薄まっていると主張した。

ろくでなし子さんは、弁論の最後に、裁判長から「最後に何か言いたいことは」と問われると、「私は、起訴された作品(デコまん)と、されなかった作品の違いが、今でもわかりません。もし有罪判決になったら、他の作家の活動も萎縮することになってしまいます。公正な判決を期待します」と述べた。

判決は、東京地裁で5月9日に言い渡される予定。裁判長は期日を決める際、「しっかり検討したい」と、論告から判決まで3カ月という期間をあけた理由を述べた。弁護団の山口貴士弁護士は公判後の報告集会で、「判例をなぞるだけではない、これまでと違う新しい判断を示す可能性がある」と期待をみせていた。

(弁護士ドットコムニュース)

新着記事
一般的なニュースのサムネイル

同性婚訴訟、東京高裁が「合憲」判断 全国で唯一判断割れる結果に…弁護団「きわめて不当な判決だ」

性的マイノリティの当事者が、同性同士が結婚できないのは憲法に反するとして、国を訴えた裁判(東京2次訴訟)の控訴審で、東京高裁(東亜由美裁判長)は11月28日、現行法の規定を「合憲」と判断した。

一般的なニュースのサムネイル

最高裁で史上初の「ウェブ弁論」、利用したのは沖縄の弁護士「不利益にならない運用を」

裁判の口頭弁論をオンラインで実施する「ウェブ弁論」が今月、初めて最高裁でおこなわれた。

一般的なニュースのサムネイル

夫の「SM嗜好」に苦しむ妻、望まぬ行為は犯罪になる?離婚が認められる条件は?

パートナーの理解を超えた「性的嗜好」は、離婚の正当な理由になるのでしょうか。弁護士ドットコムには、そんな切実な相談が寄せられています。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「答え合わせしたい」日テレの拒否は「適正手続」の観点から問題?

コンプライアンスの問題を理由に番組を降板し、活動を休止していた元TOKIOの国分太一さんが、11月26日に東京霞が関で記者会見を開きました。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「録音の削除求められた」消さないと違法だったの?弁護士が解説

解散したアイドルグループ「TOKIO」の国分太一さんが11月26日、東京都内で記者会見を開き、日本テレビ側から番組降板を告げられた際、会話を録音しようとしたところ、同席した弁護士からデータの削除を求められたと明らかにした。一般論として、法的に録音の削除に応じないといけないのだろうか。

一般的なニュースのサムネイル

「サケ漁はアイヌ文化の主要な部分」日弁連、アイヌ施策推進法の改正求める意見書

日本弁護士連合会(日弁連)は11月20日、「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律」(アイヌ施策推進法)の5年見直しに際し、アイヌ集団の権利保障やサケ漁の権利の法整備などを求める意見書を公表した。同法附則第9条の見直し規定に基づき、文部科学大臣や農林水産大臣など関係機関に提出した。

もっと見る