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フリーランスユニオン準備会設立「会社と対等なコミュニケーションが必要」
2022年03月04日 18時46分

フリーランスの労働組合を結成し、労働環境を改善させようと3つの労組の有志が3月4日、「フリーランスユニオン準備会」を立ち上げた。多様な業界から広く参加を募り、個別の労働組合の設立支援や、フリーランスの社会保障や労働環境の改善に取り組む。(ライター・田中瑠衣子)

フリーランスの労働組合を結成し、労働環境を改善させようと3つの労組の有志が3月4日、「フリーランスユニオン準備会」を立ち上げた。多様な業界から広く参加を募り、個別の労働組合の設立支援や、フリーランスの社会保障や労働環境の改善に取り組む。(ライター・田中瑠衣子)

●「現場の声を広く募り、政策提言に生かしたい」

準備会を立ち上げたのは、ウーバーイーツユニオン、ヨギーインストラクターユニオン、ヤマハ音楽講師ユニオンの有志たち。3月4日に衆院第一議員会館で院内集会を開き、それぞれの現場の課題や労働組合の意義を話した。

ウーバーイーツユニオンは、配達員約30人でつくる。業務中の事故やけがの補償、報酬システムの透明化などを要望し、運営会社に団体交渉を求めているが、運営会社は「労働者ではない」と団交を拒否してきた。今は東京都労働委員会に不当労働行為の救済申し立て中だ。土屋俊明執行委員長は「現場の声を仕組みに反映してもらえないと最悪の場合、配達員が命を落とすことになる。会社とは対等なコミュニケーションが必要だ」と訴えた。

また、土屋氏はウーバーイーツユニオンの課題として、配達員には共通の職場がないため、労組の仲間を増やすことが難しい点を挙げた。立ち上げを目指すフリーランスユニオンについて「多様な業種の現場の声を広く募り、政策提言に生かしたい」と話した。

ヨガのインストラクターらで作るヨギーインストラクターユニオンの塙律子執行委員長は、 業務委託契約なのに時間や場所の拘束が強く、労働者性が強いことを報告した。「本来、フリーランスと会社は対等な関係なはずだが、実現していない状態。1つの労働組合の問題ではなく、業界全体に問題提起したい」と語った。

ヤマハ音楽講師ユニオンは、ヤマハ音楽教室などの講師でつくる。講師は「一般財団法人ヤマハ音楽振興会」と契約を結ぶ個人事業主だ。講師はヤマハと委任契約を結び、ヤマハの特約店でレッスンを行う。特約店によっては曜日や時間を指定され、労働者の側面が強いという。ピアノの発表会の準備や会議など、レッスン以外の業務の報酬が明確に決められておらず、無報酬というケースもあるそうだ。

大山湧希執行委員長は「(ユニオンとのやりとりを)ヤマハ側は団体交渉と認めないが、労働組合法上において私たちは労働者だと考えている。労組を結成したことで横のつながりが薄かった全国の講師と問題意識を共有でき、意義のあることだと思っている」と話した。

準備会は、ウェブサイトやTwitterアカウント「フリーランスユニオン準備会」でフリーランス同士の意見交換や、労働問題などの情報を発信する。

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