この事例の依頼主
50代 男性
相談前の状況
若いころに、複数の消費者金融業者から借入をしていたものの、返済が滞ったのち、事情があって住所を転々としていました。その間、消費者金融業者からは、何の連絡もなかったのですが、現住所に落ち着いてしばらくしたら、いくつかの消費者金融業者から、督促状が届くようになりました。中には、直接自宅に押し掛けてくる業者もありました。利息がついて、請求の合計額は大変な高額となっており、ご相談者は、悩んだ末に、ウェブサイトを通じて当事務所にご連絡をいただき、相談に見えました。
解決への流れ
ご相談者から、借入の経緯と、返済の実績、生活史を丹念にお聞きし、すべての借入について、消滅時効が成立していると確信しました。そこで、任意整理事件として受任し、各消費者金融業者から取引履歴をとりよせました。その結果、すべての借入で、時効が成立していることが判明し、時効援用通知を送り、すべての借入債務が消滅しました。
債権者の中には、債務者の自宅まで押しかけてきて、「1000円でいいから、今日払ってほしい。」などと言って、一部弁済をさせる業者もあります。一部でも弁済してしまうと、債務を承認したことになり、時効が中断します。また、消滅時効が完成した後に、債務の承認をしてしまうと、時効の援用ができなくなります。時効による債務の消滅が考えられるときには、安易に債権者の督促に応じずに、弁護士に相談したほうがいいでしょう。