犯罪・刑事事件の解決事例
#建物明け渡し・立ち退き

契約の内容がよく分からない賃貸借契約

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山本 真邦 弁護士が解決
所属事務所真耀法律事務所
所在地長崎県 長崎市

この事例の依頼主

50代 女性

相談前の状況

亡夫が、土地を資材置き場として土地を貸していました。賃貸借契約書もなく、契約がいつ結ばれたのかを含めて、契約の内容が分かりません。亡夫からは、資材置き場として貸していたとは聞いていたのですが、土地には、建物が立っており、産業廃棄物が多数あります。このまま、放置しておくわけにもいかないので、借主に明渡を求めましたが、明渡をしてくれません。

解決への流れ

調査の結果、貸している土地は1筆の1部で、貸している範囲も明確ではないことが判明しました。また、貸している土地は、元農地であり、農地転用の許可もなく、建物が立っていました。そのため、依頼者が亡夫から、資材置き場として貸していたという話は、間違いないと判断しました。依頼者が土地明渡請求後、賃料を支払わなくなったため、賃料不払いと目的外使用で賃貸借契約を解除し、土地の明渡を求めました。しかし、相手は、明渡をしませんでした。訴訟になった場合、賃貸借契約の内容が立証できず、貸している土地の範囲も特定できないため、訴訟提起は難しいと判断しました。また、仮に、強制執行となっても、撤去費用を依頼者が一時的に負担することになり、強硬な対応は解決にふさわしくないと判断んしました。借主とは連絡がとりにくいため、何度も、先方の元に出向き、交渉を重ね、徐々に明渡を実行してもらいました。途中、作業が止まったので、調停を起こし、相手方に任意の明渡をしてもらうように、粘り強く交渉しました。約6回ほどの調停を開いた結果、調停が成立し、借主に任意に明渡を実行してもらうことになりました。

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山本 真邦 弁護士からのコメント

不動産の賃貸借では、契約書が作成されていなかったり、亡くなった人が関わっていたりして、その契約の中身が分からないことがあります。そういう場合、裁判を起こすことは難しく、簡単には事件は解決しません。また、裁判になっても、相手方が明渡をしなければ、強制執行をせざるを得ません。その費用を依頼者が負担できない場合もあります。裁判をすればいいと安易に考え、借主に逃げられれば、事件の解決が困難となります。この事件は、事件解決の難しさを依頼者に十分伝えた上で、粘り強く話し合いをすることで、任意の明渡をしてもらえることになりました。