この事例の依頼主
70代 女性
相談前の状況
依頼者は原付バイクを運転して信号機のない交差点を通過する際、左方から来た相手方自動車と出合い頭衝突事故に遭いました。依頼者は骨盤骨折、左脛腓骨骨折、左足関節骨折等の傷害を負い、救急搬送され入院しました。何度も手術を受けましたが、相手方保険は「あなたの方の過失が大きいので、健康保険を利用してください」と主張し、治療費の任意保険対応を拒否しました。困った依頼者と夫は、今後の後遺障害等級申請も含めてどうしたらよいだろうかと相談に来られました。
解決への流れ
受任後、弁護士は医療機関に照会して依頼者の負傷内容を確認し、症状固定時期に合わせて医療機関に後遺障害等級申請のための診断書作成を依頼しました。自賠責保険に被害者請求をした結果、依頼者は膝関節及び足関節の可動域制限、足底部の神経症状等にて併合9級の後遺障害が認定され、傷害分を合わせた自賠責保険金の満額を獲得しました。その後、弁護士は裁判所基準の損害額との差額の支払いを求めて提訴し、数度の弁論、証拠調べを経た結果、裁判所より、過失割合以外はほぼ当方の請求を認める和解案が勧告され、和解が成立しました。
依頼者は高齢のご夫婦であるのに、相手方保険から治療費の保険負担を拒否されたため、ご自分の健康保険を利用して自費負担での治療を余儀なくされていました。その結果、ご相談に来られた時点で、入院代だけでも100万円を超える自己負担をされていました。そこで、まずは適切な後遺障害の認定を経て自賠責保険金を獲得することを目標に、詳細な日常生活動作の聴き取りを行い、主治医に治療状況を照会した後、後遺障害診断書の作成を依頼しました。その際、考えられる限りの後遺障害を指摘し、適切な検査を行っていただくよう要請しました。その結果、併合9級の認定がなされ、自賠責保険金満額を獲得することができましたので、速やかに裁判所基準のあらゆる損害を算定し、訴訟提起しました。裁判では、症状固定時期や過失割合、主婦の休業損害、後遺症逸失利益などが争点となりましたが、過失割合を除いては、ほぼこちらの予測範囲内の上限に近い和解勧告がなされました。「先生のおかげで大変助かりました」と依頼者ご夫婦から大変感謝されました。